転職や副業、フリーランスを目指す手段として、近年大きく注目されている「webデザイン」のお仕事。
「稼げるスキル」「自由になれるスキル」として注目を浴びているwebデザインですが、
一概にwebデザイナーといっても、その仕事の内容は様々です。
この記事では、
・webデザイナーには3タイプの働き方がある
・3タイプそれぞれの特徴と将来性
・webデザイナーってぶっちゃけ稼げる?自由になれる?
・webデザイナーとして個人で稼ぐためのコツ
などなど、現役のwebデザイナーが赤裸々に解説します!
webデザイン気になっているけど将来性が気になる…という方、ぜひ参考にしてみてください!
webデザイナーは、キャリアアップを前提とすると将来性抜群
結論からいうと、正直、webデザイナーの将来性は微妙です。
ただ、webデザイナーとしてのスキルを持っていると、
・フリーランス
・webディレクター
・UI/UXデザイナー
・フロントエンドエンジニア
など、様々なキャリアの選択肢があります。
webデザインスキルを身に付けておくことで、
将来的にキャリアアップで、収入アップや自由な働き方が実現できる職業だと思います。
また、個人で稼いでいきたい方は、
ニッチな分野を見つけて、付加価値を付けることで、充分稼げるスキルになります!
より詳しくご説明するために、まずはwebデザイナーの仕事内容を簡単に解説した後、
webデザイナーを3タイプに分類して、ひとつひとつ解説していきます!
webデザイナーの仕事内容
webデザイナーの仕事内容は、大きく分けて2つあります。
1.デザイン
バナーやLP、webサイトなどの、見た目を作るお仕事です。
PhotoshopやIllustrator、XDなどのデザインソフトを使用してデザインをします。

2.コーディング
①で作ったLPやwebサイトのデザインを、HTMLやCSSなどを使って、コーディングしていくお仕事です。
プログラミングのようなイメージですが、実際にはプログラミングとは違います。
コードを書いて、見た目を作っていく(マークアップしていく)のが主な仕事内容です。

デザインとコーディングはまったく別の作業
デザインとコーディングは、同じものを作るにもかかわらず、まったく別次元の作業です。
デザインで必要な勉強は、コーディングでは必要なかったり。
その逆も然りです。
もちろん、webにまつわる知識など基礎的な部分は共通していますが、
どちらか一方でも一人前に出来るレベルになるためには、かなり別次元の学習が必要になってきます。
そのため、次でご紹介するように、webデザイナーの中には
・デザインだけ担当する人
・コーディングだけ担当する人
・両方担当する人
の3タイプの働き方が存在します。
webデザイナーを3タイプに分類
同じwebデザイナーでも、「デザイナータイプ」と「コーダータイプ」では、業務内容はまったく異なります。
まずは各タイプの業務内容を簡単にご紹介します。
1.デザインだけ担当するデザイナータイプ
私は完全にこちらのタイプです。
デザインに特化して、コーディング部分はコーダーさんにお任せします。
webデザイナーになってから初めの1年半は、HTML/CSSを一行も触りませんでした。笑
日々の業務は、PhotoshopやXDなどを駆使して見た目を作っていくお仕事。
バナーやアイキャッチなど、コーディングが不要な画像のデザインも担当します。

グラフィックデザイナーとの違い
一般的に「デザイナー」と呼ばれるのは、「グラフィックデザイナー」であることが多いです。
ロゴやチラシ、パッケージのデザインなどをするお仕事です。
webデザイナーと違うのは、グラフィックデザインは「印刷物のデザイン」がメインであること。
LPやwebサイトのデザインとは、同じデザインといえど分野が違います。
最近では、印刷物のデザインのお仕事が減ってきていることもあり、
グラフィックデザイナーからwebデザイナーへ転向する人がどんどん増えてきています。
2.コーディングだけ担当するコーダータイプ
マークアップエンジニアとも言われるのが、このコーダータイプです。
最近webデザインの勉強を始めた方は、progateやドットインストールを活用し、HTML/CSSから入る方が多いです。
そのため、今後はこのコーダータイプが増えていくと思います。
というのも、コーディングの勉強は再現性があるため、独学でも身に付けやすい。
一方で、デザインの勉強は、独学だとどうしてもセンス頼りになってしまう部分が大きく、プロのデザイン感覚を身に付けるためにはかなりの時間と経験を要します。
「webデザイナー募集」の求人に、デザインも出来ると思って応募したら、結局はコーディングだけしか担当させてもらえなかった…。
これはよくある話です。
なぜなら、コーディングが出来ても、デザインは出来ないから。
仕事に出来るレベルのデザインは、コーディングとは全くの別分野なのです。
3.デザインもコーディングもどちらも出来る両立タイプ
世の中で広く使われている「webデザイナー」はこのタイプ。
デザインもコーディングもどちらも一人前にこなせる人は、極めて貴重な人材です。
それもあって、フリーランスとして活躍している人はこのタイプが多いです。

3タイプのwebデザイナーの特徴とキャリアアップの道筋
自分はどのタイプを目指していこうか?と悩まれる方のために、
3タイプそれぞれのメリットや、目指せるキャリアアップの道筋などをご紹介していきます!
1.デザイナータイプの特徴と将来性
デザインスキルはあらゆる分野で活かせる
デザインスキルが身に付けば、グラフィックデザインや動画制作など、様々な分野で活かすことが出来ます。
個人で何かを始めたいと思った時なども、ちょっとしたデザインってたくさん必要になるんですよね。
例えば、SNSのアイコンやヘッダー、ブログのアイキャッチ、動画のサムネイル、ホームページのデザイン、名刺、お店のチラシやメニューなど…。
そういった時に、自分でデザインが出来たら楽ですし、費用も抑えることが出来ます。
あらゆる分野において重宝されるのが、デザインのお仕事です。
一定レベル以上のデザインスキルがあると強い
いま、webデザイナーを目指す人が増えていることもあり、一定レベルに達していないデザイナーは正直、飽和状態です。
Photoshopなどのデザインソフトを使って、とりあえずデザインできるレベルの人は、腐るほどいる、というのが現状。
ただ、一定レベル以上のデザインスキルがある人は、かなり少ないです!!
このレベルを具体的に示すことは難しいのですが、プロのデザイナー目線で見るとすぐにわかります。
そのレベルまで達せれば、転職市場でもかなり重宝されますし、選り好みしなければ、仕事に困ることはありません。
コーディングも出来た方が選択肢は広がるが、必須ではない
ベンチャー企業など設立間もない小さい会社では、デザインだけでなくコーディングも出来る人材を求められることが多いです。
ただ、デザインもコーディングも両方こなすとなると、激務になる可能性が高いです…!
デザイナーとコーダーを2人雇う余裕がないから、1人で済ませたい、つまり1人で2人分の仕事をこなしてほしい、なんて考えの企業もありますから…。
多くの企業は、デザインとコーディングは分業制にしているので、コーディングが出来なくても働き口は充分あります。
本人の希望に合わせて、どちらかに特化するか、両方担当するか、選ばせてもらえる企業もありますので、あなたの希望に合う形の企業を探してみるのがいいでしょう。
また、やはり基礎的なコーディングの知識があった方が、コーダーさんとのコミュニケーションもスムーズになります。
実際にコーディングは出来なくても、最低限の知識は持っておいた方がいいでしょう。
UI/UXデザイナーへのキャリアアップを目指せる
webデザイナーの上位互換としても最近注目されているのが、UI/UXデザイナーというお仕事。
デザインソフトをいじってデザインをするだけでなく、サービスの上流工程に携わり、サービス全体の設計からデザインしていくことが多くなります。
(厳密には、UIデザイナーとUXデザイナーの仕事内容はまったくの別物なのですが、なんとなくそんなもんなんだとイメージしてもらえたらと)
今後UI/IXデザイナーは多くの企業で求められる職業になっていきますし、市場価値は間違いなく高くなっていきます。
年収レベルも、webデザイナーとは比べ物にならないほど高い。
webデザイナーからキャリアをスタートし、UI/UX分野へキャリアアップしていくのは、今後スタンダードなキャリアの道筋になっていくと思われます。

デザインの仕事は楽しい!
これは完全に個人の見解ですが、デザインのお仕事、めちゃくちゃ楽しいです。
「自由になりたい」という動機で始めたwebデザインでしたが、元々クリエイティブなことが好きだった私にとっては、完全に天職でした。
デザインの仕事のいいところは、成果物が目に見えるから、褒めてもらいやすい!
「これ私が作ったんだ」と家族や友人に自慢することも出来ますし、会社の中でも「うわー素敵なデザイン!ありがとう!」と喜んでもらえることが多いです。
2.コーダータイプの特徴と将来性
基礎的な部分は独学でも身に付けやすい
今の時代、progateやドットインストールなど、HTML/CSSの基礎を安く学べる、良質な教材がたくさんあります。
短期間で基礎を身に付けることも可能なので、webデザイナーとして勉強を始める最初のステップとしては比較的敷居が低いでしょう。
未経験可能な求人も多い
上記の理由もあって、未経験でも雇ってくれる求人は多いです。
特に学生の場合、インターンとして勉強しながら実務経験を積ませてもらえる環境は、けっこうあります!
フロントエンドエンジニアへのキャリアアップを目指せる
フロントエンドエンジニアは、HTMLやCSSに加えて、JavaScript(jQuery)やPHPなどのコーディングも業務内容に含まれます。
静的なwebサイトの構築が出来るようになったら、HTMLだけでは表現できない実装を可能にするためにJavaScriptも加えて学習していくことで、より重宝される人材を目指すことができます。

コーダーの仕事は今後なくなっていく可能性がある
HTMLとCSSだけで出来る静的なコーディングの仕事は、今後は少なくなっていく可能性が高いと思います。
というのも、wixやSTUDIOといった、ノーコードでサイト制作が出来るサービスがどんどん進化してきているため、静的なコーディングの必要性がなくなってきているからです。
また、bootstrapなどのフレームワークの活用により、静的なweb制作はどんどん手軽に出来るようになってきています。
将来性を見据えるなら、フロントエンドエンジニアへのキャリアアップを目指すか、デザイン分野も出来る人材を目指すなど、コーダーから一歩飛び出る道を考えた方が良いかもしれません。
3.両立webデザイナータイプの特徴と将来性
0~10まで自分で作ることが出来る
なんといっても、自分でデザインをして、自分でコーディングができる。
これはかなり楽でしょう。
コーディングでの実装可能性を考慮しながらデザインをしたり、コーディングしながらよしなにデザインしていくことも出来るので、
デザイナーもしくはコーダーとして、どちらかの立場だけ担当するときも、とても喜ばれる貴重な人材になれます。
フリーランスとして活躍することも
自分1人でデザイン〜コーディングが出来れば、LPやwebサイト制作の案件を個人で受注することのハードルも一気に下がります。
LPやwebサイトの企業案件であれば、1案件20万円〜大規模だと100万円を超えることもあります。
個人で受注して制作することが出来れば、制作した分だけ報酬が自分の元に入るので、夢のような月収を達成することも可能です。
もちろん、それ相応のスキルを得るための努力や経験は必要ですし、個人で仕事を受注するにはまた別のスキルが必要になってきますが、
会社員からの独立を目指している方は、デザインもコーディングもどちらも出来る両立タイプが、一番堅実な道でしょう。

会社員としてのwebデザイナーは激務の可能性が高い
webデザイナーの求人は今もたくさんありますので、転職市場でもまだまだ重宝されます!
会社員の場合、デザインだけ担当するデザイナータイプでも充分な場合が多いですが、求人によってはコーディングスキルも求められる場合が多くあります。
一点注意したいのは、webデザイナーを募集している企業の多くは「制作会社」です。
制作会社とは、クライアントからweb制作を受注するタイプの会社。
つまりクライアント第一の働き方になるため、納期に追われたり、モンスタークライアントに振り回されたり…といった、ブラックな働き方になる可能性が非常に高いです。
また、とにかくクライアントやディレクターが第一で、指示通りに作ることが求められる現場も多数あるので、自分の意見をデザインに反映できない…なんてことも。
もちろん、ホワイトで風通しの良い制作会社もありますので、転職活動の際はそういった部分は注意してみてください!
ブラックな印象が強い制作会社ですが、様々なデザインを経験できるので、スキルアップの場としては申し分ないです。
修行の期間だと割り切って頑張れるタイプの方には、おすすめできる働き方です。
キャリアアップの道はwebディレクターやUI/UXデザイナー
UI/UXデザイナーはデザイナータイプでもご紹介しました。
webディレクターとは、webサイトなどの制作の際に、クライアントとやり取りをしたり、
デザイナーやエンジニアなどの作業全体を取りまとめ、スケジュール管理をしたり…など、プロジェクト全体の指揮をとるお仕事です。
デザインやコーディングなどの作業をすることはほとんどなくなるので、その作業が好きな人にとっては目指したいキャリアとは言い難いかもしれません。
ただ、より上流工程に関わっていく仕事のため、役職や年収アップを目指す方にとっては、目指したいひとつのステップになりそうです。

どのタイプを目指したら良いの?
「webデザイナー」として一緒くたにされがちな「デザイン」と「コーディング」ですが、その学習方法や業務内容もまったく別の分野と言っても過言ではありません。
まずは両方試してみて、楽しかった方をより伸ばしていくのが良いと思います!
デザインは全然できないけど、コーディングが楽しくて夢中になってしまうなんて人もいれば、その逆もしかりです。
まずは実際に試して、自分に合ったタイプを模索してみてください。
難点なのは、コーディングスキルに比べてデザインスキルは、身に付けるまでに時間がかかりやすいということ。
いきなりプロレベルのデザインが出来なくても、めげずにインプットとアウトプットを繰り返していくことが上達の鍵です。
デザインの学習方法やクオリティアップの鍵については、長くなってしまうのでまた別の記事で紹介させてください!
webデザイナーは稼げる?自由になれる?
3タイプのwebデザイナー、それぞれの特徴や将来性について解説しました。
「稼げるスキル」「自由になれるスキル」として注目を浴びているwebデザインですが、正直にお伝えすると、
勉強したらすぐに稼げる、すぐに自由になれると思ったら大間違いです。
webデザイナーとして自由に働く
新型コロナウイルスの影響もあり、フルリモートワークが可能な会社も増えてきています。
とくにweb制作会社はそういった会社が多いので、「働く場所に自由になる」ことは、比較的叶えやすい職業です。
ただ、ブラックな働き方の多い職業でもあるので、選ぶ会社を間違えると、いくら在宅勤務とはいえ、長時間労働で時間的な自由がなくなる…。
なんてこともあり得るので、要注意です!
また、会社員のwebデザイナーの年収レベルはそこまで高くありません。
稼ぎたいなら、副業や独立も考えることが前提となります。
長期的な目線で収入アップを目指す場合は、webディレクターやUI/UXデザイナーへのキャリアアップも、視野に入れておきましょう!

最短で稼ぐことを重視するなら、走りながら学ぶ道
とにかくすぐにでも稼ぎたいんだ、という方は、最低限の基礎だけ抑えたら、web制作を個人で受注してしまうのがひとつの手かもしれません。
ホームページやLPの制作などの仕事を受注して制作をしていくのは、現実的な道だと思います。
実際に仕事を受注して、制作をしながら必要なスキルを身に付けていくのは、ハードですが最も早く成果が出せる道の一つです。
まずは自分でいくつかサイトを作ってみて、小さいお店のホームページは作れるレベルになったら、
近所のお店に声をかけてみたり、クラウドソーシングに挑戦してみるといいかもしれません。
初めは低単価でも、勉強になる上に自分のポートフォリオを増やせるので、積極的に引き受けてみると稼ぐ力も次第に高まっていくでしょう。
走りながら学んでいく手法ですね。
最初のうちはキツイですが、これが出来る人はすぐにもっと稼げるようになります。
高単価の仕事を受注できるようになれば、自分はディレクションのみを担当し、実際の制作は外注するといったことも可能になりますので、デザインはやらないと決めて一つに集中するのも戦略としてはありかもしれませんね。
個人で稼ぐコツは、いかにニッチな分野で付加価値を付けられるか
webデザイナーを学ぶ人はここ数年でどんどん増えてきています。
そのため、正直ライバルは多い市場。
個人で稼いでいきたい場合、
・ニッチな分野を狙う
・付加価値を付ける
これがとても重要になってきます。
ニッチな分野を狙う
IT企業などすでにweb化が進んでいる分野では、webデザインスキルを持っている個人なんて相手にされないですよね。
一方で、まだwebサイトを持てていないような、例えば個人飲食店など。
webデザインできます!サイト作れます!と言ったら、めちゃくちゃ重宝されるはずです。
わざわざレッドオーシャンに飛び込んで、レベルの高い人たちと比べて落ち込んでしまうのはもったいない。
あなたのスキルを必要としている、ニッチな市場を見つけることでwin-winの関係を作ることができたら、個人で稼ぐのはそんなに難しくないはずです。
付加価値を付ける
多くのwebデザイナーがいる中で、なぜあなたに仕事をお願いするのか?
と、自分が発注する側の気持ちになって仕事に取り組めば、自然と選ばれるwebデザイナーになっていくはずです。
例えば、
・連絡が丁寧で迅速
・発注者の作業負担を軽くする工夫をする
など、小さな心遣いでも充分差別化できます。
「お仕事お願いして気持ちよかったな」と満足してもらえるように取り組めば、次のお仕事もお願いしてくれたり、他の仕事を紹介してもらえたりと、
どんどん次の仕事に繋がるいい連鎖が作れます。
目の前の仕事に全力で取り組む。
これが一番大事なことかもしれません。
webデザイナーは自由への入り口!学ぶ価値あり!
webデザイナーそのものだけで、高収入や自由を手に入れられる人はほんの一握りです。
しかし、webデザイナーを目指す上で得られる知識や経験は、絶対に無駄にはなりません!!
webデザインをとっかかりとして、
・web制作でフリーランスに
・webディレクターになって収入アップ
・UI/UXデザイナーになって市場価値アップ
・エンジニアになって自由を実現
といった風に、あなたの適性に合わせて様々な道へ進むことが可能です。
それを踏まえれば、webデザインは将来性もあり、学ぶ価値のあるスキルであると言えるでしょう!
自信を持って、webデザインの扉を叩いてください。

