今回インタビューさせてもらったのは、駆け出しデザイナーの「やぎちゃん」です。
やぎちゃん(X/Twitter)
- アパレル業界からwebデザイナーへのキャリアチェンジに挑戦中
- デイトラ「Webデザインコース」で勉強したものの、その後のステップで迷っていた
- おこじょ(現役デザイナー)の育成枠でマンツーマン指導を受けた結果、道が見えてきたところ
美術館のような美しいサイトが出来上がりました…!
https://rico-home-quilt.studio.site/
考え方がどう変わったのか?をインタビューで掘り下げていきます!
(参考)おこじょの育成枠について、募集の経緯などはこちら👇
webデザインの勉強を始めたきっかけ
洋服を作るのが好きだったから、アパレル関連の仕事をしていました。
ずっとアパレル業界にいるのは厳しいと感じていたので、何か他のモノづくりができないかなぁと思って始めたのがwebデザインです。
最初はYouTubeのサムネイルを作ってみたり、Canvaを触ってみたり。
まずはオンラインスクール「デイトラ」で勉強開始
でも、実際にwebデザインを仕事にしている人が身近にいたから、私もやりたい!と思って。
やりたいと思っているだけではやりたいことはできないから、飛び込みました。
実際にデイトラをやってみてどうでしたか?
迷ってる人はぜひやってほしいと思います。
スクール以外では本を読んで勉強したけど…
ネット検索して、読むべき!って書いてある本を片っ端から読みました。
だけど結局、本で学んだことはあんまり覚えていないです。笑
それに気付いてからは、デザイン本コレクターをやめました。笑
実際に手を動かさないと何も身につかないので。
本を使うのは、ある程度基礎ができてきて、自分に足りない分野がわかってきた段階で、考え方を学ぶために読むイメージかなぁと…。
初めのうちは、実践しながら読み進めるタイプの本がおすすめです◎
スクールで基礎を学んだ後はフリーランスに?
私の育成枠(マンツーマン指導)が始まる前。
私が住んでいる地域は田舎だから、サイトを持っていない飲食店などがいっぱいあって。
そういうところに営業をかけて、仕事をいただけないかなと。
でも、とりあえず動くサイトは作れるようになったので、綺麗で完璧なサイトを求めていないお客さんもいっぱいいるはずだと思って。
この時は、「動けばいい」「それでも喜んでもらえる」と思っていました。笑
おかげさまでデザインスキルが磨かれて、動くだけじゃ物足りなくなってきて、お客さんが他の人に見せても恥ずかしくないものを作りたい!と思うようになりました。
このままフリーランスに留まってしまったら、ずっと60点しか作れない。
100点か60点かという選択肢をお客さんに与えることもできない。
いま頑張らないと、お客さんにとっても、自分にとっても、選択肢を作ることができない、と感じるようになりました。
現役デザイナーと一緒に実務経験を積める機会が訪れた
現役デザイナーからのフィードバックをもらえる機会はなかなかないので、これは貴重な機会だ!と思って応募しました。
まさか採用いただけるとは…!
デイトラでしっかり基礎を身に付けていたのと、元々モノづくりが好きだったせいもあってか、素養があるなと感じられました。
それ以外にも、「学習の時間がしっかり取れる」「応募文から感じられる情報整理能力」「気持ちのいいコミュニケーション」このあたりがポイントでした!
採用の連絡をもらってから3ヶ月後に、こんなに人に喜んでもらえるサイトを作れるようになるなんて思いもしませんでした。
(やぎちゃんが実際に作ったサイトはこちら)
育成枠は、私が実際にクライアントさんからいただいているお仕事をそのまま担当してもらうという、超実践形式。
プロジェクト全体の管理は私がして、やぎちゃんには、デザイン〜STUDIO実装とそれに伴うクライアントとのやりとり、撮影同行まで丸っと担当してもらいました。
100以上のフィードバックはもらってると思います。
こんな感じで、デザイン時はFigma上でレビュー(フィードバック)を大量に入れていきます
たとえベテランデザイナーであっても、何かしら指摘されるのが普通です。
それだけ、自分のデザインを客観視することはプロでも難しいこと。
それに、自分ひとりでデザインすると、絶対に抜け落ちる視点がある。
だから、他のデザイナーにレビューしてもらうのは必須のステップだと思っています。
そうすると、デザインスキルは上がりにくくて、ずっと中途半端なものしか作れないデザイナーになってしまう。
そして客観視が難しいので、自分ではそれに気付けないままになってしまうという悲しい状態に陥ります。
現役のデザイナーさんが、未経験フリーランスを勧めない理由がよくわかりました。
まずは就職する(現役デザイナーと一緒に働く)のが、スキルアップへの一番の近道です。
それだけで、5年後10年後にめちゃくちゃ差がつく。
現役デザイナーと一緒に仕事をしてみたリアルな感想
「数ヶ月でwebデザイナー!」みたいな広告を見すぎていたせいかも。
泥臭い仕事だと思ってはいたんですけど、予想通りに泥臭くて、地味なんだなって。笑
でも、その過程もすごく楽しかったです。
冷静に、自分はまだ未熟なんだってことが分かったし、分からないことが分かるようになった。
育成枠に入る前は、まさに「バカの山」のてっぺんにいたなと。笑
素人ほど、知識や経験が足りないゆえに自信過剰になってしまう「ダニングクルーガー効果」。バカの山にいることに自分で気付くことは難しい。
自信がなくなって落ち込んだりはしなかったですか?
自分に足りないものが分かったので、それをやっていけばスキルアップできるなと。
それまでは、やるべきことすら分からなかったので。
スクールや独学では学べない、デザイナーに大切な要素
デイトラでも「いろんなサイトを見てください」とは教わっていたけど、どこを見ていいか分かってなかった。
自分で実際にオリジナルで作った経験をしたからこそ、他のサイトを見たときに「何でこうしたんだろう?」「この部分すごい!」みたいに、疑問や感情を持って見れるようになったし、細かい部分に気付けるようになりました。
1つサイトを作るのに、100サイトくらいは見ます。
おこじょさんがzoomで画面共有しながら、「私だったら、例えばこういうサイトのこういう部分を参考にしますね〜」と実際に普段やっている感じを教えてくれて。
「あ、私が見てるものと全然違う」って気付けた感じです。
おこじょさんだけでなく、一緒に制作しているライターさんやディレクターさん、そしてクライアントなど、いろんな人がデザインに対する意見を言う場面を見させてもらっていました。
それぞれ、気になるポイントが全然違うんですよね。
今までは自分の目線しか持っていなかったけど、「この人の目線で見たらこう感じそうだな」と、自分以外の目線を持てるようになりました。
デザイナーだけの視点で進めてしまうと、自分本位なデザインになってしまいますしね。
ユーザーやクライアントなど、別の視点を持てるデザイナーは強いです。
添削回数に限りがあるスクールでは無理な部分。
添削の重要性も分かってませんでした。
コミュニケーションの取り方や気遣いなど、制作メンバーやクライアントとのやりとりがすごい勉強になりました。
まさにスクールや独学では習えないところだなぁと。
やりとりや進め方は正解がないので会社や人によっても全然違うんですが、相手目線を忘れないことが大切だと思います。
「この共有の仕方だと、webに詳しくないこの人には伝わらないかも」「シートにまとめておいたら、後で一緒にチェックしやすいかも」「このタイミングでこれを言っておくと、この後の話が理解しやすいかも」と、想像する力があれば、自然とスムーズなコミュニケーションが取れるはず。
フィードバックと修正を何度も何度も繰り返し…しんどくなかった?
フィードバックを受けて、修正して、を何度も何度も繰り返していたので、そこはどうだったかなと。
おこじょさんのバナー添削に関する記事も読んでいたせいか、そういうものだと思っていたので。
前職でも、指摘されてやり直しするときに、先輩は絶対に手伝ってくれなくて、自分でできないといけなかったんですよね。
社会人経験があったから私はすんなり受け入れられたけど、もしなかったら、「こんな細かいところ、指摘するくらいなら先輩が自分でやった方が速くない?直してくれたらいいのに」とか思っちゃうかもしれないです。
私が今まで働いてきた環境は、担当デザイナーに責任もって最後まで仕上げてもらうのが当たり前でした。
責任者がOK出せるところまで自分でやり切る力は、デザイナーとして、社会人として必須ですよね。
駆け出しデザイナーのときに一番しんどかったのはここの、あと一歩の踏ん張りだったなぁと思います。
そしてそれがあったから、デザイン力が身に付いていったなぁと。
フィードバックですり合わせながらどんどん良いデザインになっていくことが実感できて、とっても嬉しかったです。
このあと一歩の踏ん張りを忍耐強くやり続けたからこそ、未経験でこんなに素敵なサイトを作れるようになったんだと思います。
(やぎちゃんが実際に作ったサイトはこちら)
スクール卒業後、就職までのステップでつまずいている方へ
一番難しいのは「オンラインスクール卒業後〜就職できるまで」の部分だと思ってます。
ここがどうしても、その人の持ち合わせているセンスだったり、選んだスクールとの相性だったり、スクール卒業後に相談できる信頼できるデザイナーに出会えるかどうかに左右されてしまう部分で。
今回の育成枠はそこの穴を埋めるためにやってみたのですが、どうしてもたくさんの人を育成することは難しい悩ましさがあります。
スクール卒業後、なかなか就職できずに止まってしまっている人に向けた何かを増やしていきたいなと改めて思いました…!
いま紹介できる選択肢は次の2つ。
- ココナラやMENTAなどで、信頼できるデザイナーにメンターを依頼する(大量のフィードバックをもらう=料金も高額になることを覚悟の上で)
- NOT DESIGN SCHOOLを受講する
NOT DESIGN SCHOOLは従来のスクールとはまるで違う、駆け出しから即戦力のデザイナーになるためのスクール。
発起人のもちさんの熱い想いで作られていて、話を聞いたときは「こういうスクール待ってた!!」と私も熱くなっちゃいました。
やぎちゃんも、私の育成枠を受けて終わりじゃなくて、自分で新たな学習も始めたんですよね。
未経験から実際に転職した人がやっていたという記事を見て、試しにやってみています。
インプットで止まっちゃうともったいないので、そこからさらに、手を動かしてアウトプットに繋げるところまでトレーニングしておくと、より良いかもしれません◎
トレースでも良いですし、例えばレビューしたサイトにある要素を使いつつ、まったく別テーマのデザインを作ってみるとか。
手を動かして作ったものは、自分の中に引き出しとして積み上がっていきます。
まとめ「バカの山を降りられて良かった」
もちろん、会社で学ばせてもらうことの方が多いので、待遇面などは妥協する必要があると思いますが。
サイトを作るだけじゃない他の手段も提案できるようになりたいので、まだまだ学ぶことがたくさんあります。
綺麗とか可愛いとか、それだけでは終わらない、誰かの役に立つものを作れるようになりたいです。
結果に繋がるとか、ユーザーにとって心地良いとか、要素はたくさんあると思うんですが。
まずデザインの素養がある。これは元々モノづくりが好きで自分でいろんな物を作ってきた経験から磨かれた、センスによるものだと思います。
そして責任感と粘り強さがあるので、途中で投げ出さずにやり切る力がある。
さらに、言われた通りに作るのではなく、そもそもの目的から考え直したり、自らよりよい案を提案することもできる。この思考ができる人は、一歩飛び抜けたデザイナーになれると思います。
他にも向いてるポイントいろいろあるんですが、一旦これくらいで。笑
私の育成枠でやってみてのまとめは、「バカの山を降りられて良かった」って感じですかね。笑
ある程度のスキルで作ったものでも喜んでくれる人はいるんですけど、喜んでもらえると、できてると勘違いしちゃうんですよね。
それでも別に良いんですけど、私はバカの山を降りられて良かったなと思います。笑
私にとってもたくさんの気付きがある、貴重な体験でした。本当に。
改めて、いろいろお話聞かせていただきありがとうございました〜〜!!
これからwebデザインを学び始める方はもちろん、すでに学習を始めている方にも向けて、再現性高く、未経験から確実に、現場で通用するwebデザイナーになるための方法を紹介しています!